トピックス【パワーハラスメント対策】 - Hikarie社会保険労務士事務所

TOPICS -例外・留意事項-

◆パワーハラスメント対策

留意点

 職場のパワーハラスメントは、発生する前に予防することと、発生してしまった場合には速やかに解決をすること が重要になります。また、職場のパワーハラスメントが放置されることで、被害者は仕事の意欲や自信を失ったり、 ときに心の健康の悪化を招くこともあります。まずは、①職場のパワーハラスメントがどのような行為なのかを理解する、 ②行わない、③被害に遭ったと思われる場合には早めに相談することができる体制を整える、 この3つが重要になります。
 近年、職場のいじめ・嫌がらせ、そしてパワーハラスメントが社会問題化しており、多くの企業が対策を検討する ようになりました。これに関し、今年1月、厚生労働省(※)は「職場のパワーハラスメント」を予防し、解決に向けた 労使や関係者の取り組みを支援するために、その概念や取り組み例を整理しています。
※職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議ワーキング・グループ報告

職場のパワーハラスメントの定義

 厚生労働省では、職場のパワーハラスメントを以下のように定義付けています。
 職場のパワーハラスメントとは、同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を 背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為をいう。

 この定義にある優位性とは、上司から部下に行われるものだけでなく、先輩・後輩間や同僚間、さらには部下から 上司に対して様々な優位性を背景に行われるものも含まれるとしています。

職場のパワーハラスメントの具体的行為

 職場のパワーハラスメント行為としての6つの類型

 ①暴行・障害(身体的な攻撃)

 ②脅迫・侮辱・ひどい暴言など(精神的な攻撃)

 ③隔離・無視など(人間関係からの切り離し)

 ④業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制など(過大な要求)

 ⑤仕事を与えない、能力とかけ離れた程度の低い仕事を命じるなど(過小な要求)

 ⑥私的なことに過度に干渉するなど(個の侵害)

 ①~③については、そもそも人格を侵害する行為であり、通常の業務において必要な行為とは言えず、 定義にある業務の適正な範囲には含まれない、もしくは超えるものだと判断されます。
 ④~⑥については、どういう行為が業務の適正な範囲を超えるかは、業種や職場の特性の影響を受けることになります。
具体的な判断においても行為が行われた状況や、その行為が継続的に行われているものなのか否かによっ ても異なることから、各企業や職場で業務の適正な範囲の逸脱とはどのようなものかをあらかじめ明確にし、従業 員に周知しておくことが望まれます。

予防・解決するための方法

 企業がとるべき職場のパワーハラスメントを予防・解決するための方法として、職場のパワーハラスメントは、発生する前に予防することと、発生してしまった場合には速やかに解決をすること が重要になります。そのためには以下のような取り組みを行うことが効果的と言われています。


[予防するための方法]

組織のトップが職場のパワーハラスメントは職場からなくすべきものであることを明確に示し、発信する。

就業規則に関係する規定を設けたり、予防・解決についての方針やガイドラインなどのルールを決める。

従業員にアンケートを実施することにより実態を把握する。

管理職をはじめ、全従業員に研修を実施することで、職場のパワーハラスメントに関する教育を行う。

組織の方針や取り組みについて周知し、啓発する。

[解決するための方法]

企業内外に相談窓口を設置し、職場の対応責任者を決めるとともに外部の専門家と連携することで、相談や解決する場を設ける。

職場でパワーハラスメントを行った者に対する教育を実施し、再発を防止する。